「中医鍼灸」とは、「中医学」の伝統的で系統のある診察・治療方法を取り入れた鍼灸治療の事です。
そして「中医学」とは、「中国伝統医学」や、「中国医学」の略称で、「東洋医学」の中の一つの医学です。
そして「東洋医学」とは、アジア地域の医学医療を指すものであり、他にインド医学、チベット医学などがあります。
ですから、一般的には「東洋医学」=「「中国医学」と思われがちですが、「東洋医学」とはあくまで総称なのです。
では「中医学の治療方法」とは、簡単にいいますと体の中のエネルギーのバランスを整える治療方法です。
「中医学」では「体の中にあるエネルギー」(一般的には「自然治癒力」と呼ばれています)を大きく3つに分類しています。
その3つとは、気・血・水のことを言います。
気とは活力、内臓を働かす力
血とは栄養素、滋養物資
水とは体を潤す力や体内の正常の水液
を指します。
「中医学」では
この3つのエネルギーがバランス良くとれている状態が一番いい状態=「健康」
と考えるので、逆にいいますと、
エネルギーのバランスが悪い=「不健康、病気」
ということになります。
エネルギーのバランスが少ししか崩れていない時は「自然治癒力」で自分で治す事もできますが、大きくバランスを崩してしまうと「自然治癒力」だけでは治す事が出来ないので、薬なり鍼灸治療が必要となってきます。
現代医学(西洋医学)の進歩は素晴らしいものがあり、今まで治せなかった病気も数多く治せるようになってきました。
しかし一方でまだまだ解明されていない病気も多々あります。
その例として、病院の検査結果及び数値では異常がないのに痛みや苦痛を伴う場合です。
代表的なものに不眠や頭痛、手足の冷えなどがあります。
これらの症状は病院の検査では原因が分からない事が多く、場合によっては数値などで異常がないため何の治療も行われない場合もあります。
しかし中医学ではこれらの症状は立派な病気ととらえ、診断や治療を行います。
私達はいつの間にか、目覚しい現代医学の進歩のため、現代医学が万能であるような錯覚に陥っていますが、まだまだ解明されていない病気は多く、そのような病気を現代医学とは違う診断方法で治療する事が中医学の意義の一つだと思います。
中医学の診断・治療方法は現代医学の診断・治療の仕方と少し違います。
大きな違いの中に「随伴症状」(主訴(一番気になる症状)以外の症状)を詳しく聞くことがあります。
上記に書いたように、中医学では「気・血・水のバランス」を重視します。
そのバランスの乱れが病気を引き起こすと考えますので、
「なぜバランスが崩れ、どこのバランスが崩れたか?」
を調べるためには「随伴症状」を詳しく聞く必要があります。
現代医学では「頭痛ならこの薬、不眠ならこの薬」とある程度決まっています。
その治療方法でも頭痛、不眠は解消されると思います。
しかし中医学の診断では頭痛一つとってみてもいろいろなタイプがあります。
それは「気・血・水のバランスの崩れ方」にもいろいろあるからです。
「気」が強過ぎても頭痛がしますし、「血」が少な過ぎても頭痛が起こります。
この場合でも現代医学では同じ薬を出しますが、中医学では治療方法(例えば針を刺すツボの場所)を変えます。
随伴症状の他に中医学独特の舌の状態を見る「舌診」、脈の動き方を調べる「脈診」も参考にしてタイプを決めます。
このように「どこが、何が崩れているか?」を診断する事を「弁証」といい、
その「弁証」に従って治療する方法、ツボの場所を決める事を「弁証論治」と言います。
もう一度に現代医学と中医学の違いを簡単に説明しますと、
現代医学=対症療法 中医学=根本療法
と覚えて頂くとわかりやすいかと思います。